伊豆大川温泉にある全室源泉かけ流し露天風呂付の宿「いさり火」から
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現在伊豆高原の無料ギャラリー「りんがふらんか城ヶ崎文化資料館」では、いけばなの個展が今週日曜日まで開催されています。
いけばなには草月流や池坊など様々な流派があり、それぞれに流派の個性があります。当館ロビーの装花や、今月のいろりダイニングの装花は古流の前田理裕氏によるものです。スタッフは月1回の生け花のお稽古を習い、和室に生けたりしています。今週はいさり火はメンテナンス休館ということもあり、いけばなに興味があるスタッフも早速鑑賞させていただきました。
今回ご紹介するのは、いけばなの5大流派でもある龍生派(りゅうせいは)の西脇玉龍氏による個展です。同氏は、東京都を拠点に日本のみならず世界各地でも活躍をされ、6年前に伊東市に移住、現在は地元の中学校でもいけばなを教えています。
今回のテーマは「Continuation(コンティニューション/続くもの)」。古典的ないけばなの形を残しながらも、新しい姿も追求し継承していく意味が込められており、地元の花材の協力を得て、日本古来の古典華(立華・生花)の他、非植物も利用した独創的なアート作品を展示しています。
西脇氏のあいさつ
「いけばな=人を楽しませるエンターテイメント」を心情に日々向き合っています。先人が自然の花を観察し、親しみその自然の力に感動し、その美しさを生活の空間に取り入れ、ともに生きていることを実感する。それが日本のいけばなです。そんな考えを頭に置きながらも、都会暮らしではなかなか実感できませんでした。東京から伊東に移住して6年目を迎え、日々自然の素晴らしさを感じ、山や森、庭の植物たちの語りかけに、花を生けることの楽しさが体の奥から湧き出ることに気づきました。
と、私たちにもいけばなの原点を教えてくれました。
今回の会場で一番目を引く作品が、同氏の代表作でもある、パームツリーの皮を使った「コクーン」。伊東市の道の駅マリンタウン周辺にはワシントンヤシの木が植えられており、強風などによって落ちたヤシの皮を集めてコクーン(英語で”繭”)をイメージして制作した巨大な造形作品。黄色いオンシジウムや白いカスミソウといった花がココヤシの茶色い皮に映えます。
同氏は日曜までの会期中、毎日在廊されるとのことですので、ぜひお話を伺いながら鑑賞を。
また、会場のりんがふらんか城ヶ崎文化資料館の正月花の展示も担当されており、来年2024年1月4日に公開生けこみも予定されていますのでお楽しみに。
『西脇玉龍いけばな展 Continuation』
2023年12月13日(水)〜17日(日)
りんがふらんか城ヶ崎文化資料館
〒413-0232静岡県伊東市八幡野1156 Tel.080-4125-6850
10:00〜16:00 入場無料
花材協力:J-garden、日吉とき恵、萩原農園
花器協力:鷺たまみ
友情出演:長谷川想、吉松紅瑠、西脇玉鳳
【西脇玉龍氏 プロフィール】
いけばな龍生派家元一級教授
1957年東京都目黒生まれ
幼少期より祖母の影響で、いけばなや美術に親しむ。
中学卒業後、都立芸術高校美術科に進学、デザインを専攻。
桑沢デザイン研究所へ進み、(株)エンジンルームに就職。広告や編集の仕事に携わる。のちに独立しデザイン事務所Le Balを設立。この頃よりいけばなへの興味が復活。
1990年祖母、叔母の後を継ぎ、いけばな龍生派に入門。本格的にいけばなを始める。龍生展、いけばな協会展に毎年出品。
2012年、震災復活企画展「NIJIIRO展」銀座鳩居堂に参加。
その関連で木浦、釜山、ナポリの「NIJIIRO展」に出品。
釜山ではいけばなデモンストレーションも行う。
2012年より目黒雅叙園にて企画展などを開催、出品。
のちにいけばな×百段階段への足掛かりとなる。
瓦造形といけばなコラボレーション展に毎年参加
東京都立美術館、新国立美術館へ出品
2022年よりりんがふらんか城ヶ崎文化資料館の正月花の展示を担当。
2023年7月より伊東市立対馬中学校でいけばなを指導。
いけばな協会会員
伊東市華道連盟会員